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日本語苦手 留学生がお助け、浪速区と専門学校、協定結ぶ


11月4日(水)の朝日新聞夕刊記事

学校現場で、海外にルーツをもち日本語に習熟していない子どもたちを、留学生が支援する取り組みが広がっている。外国人が多く住む大阪市浪速区は4日、留学生の専門学校と協定を結び、区内の全小中学校を対象に留学生を派遣することにした。

浪速区の市立敷津小学校の6年生の理科の授業。中国出身の男子児童(11)の隣に中国人留学生の曲艤帆さん(21)が座っていた。「地球から太陽までの距離を考えよう」。先生が呼びかけると、曲さんは通訳して伝えた。児童は笑ってうなずき、プリントに向き合った。曲さんは区内にある留学生の就職・進学支援の専門学校「エール学園」の1年生。敷津小に先月から年末までの3カ月間、インターンシツプで週1回通う。担うのは中国出身の5、6年生4人の学習支援だ。「子どもたちの笑顔がうれしい。やりがいがあります」。これまでは先生の言葉がうまく彼らに伝わらず、いったん授業を中断してパソコンの翻訳ソフトを介して意思疎通することも少なくなかった。

留学生が支援する試みは今春から始まった。日本語支援が必要な中国出身の5、6年生が2人から4人に増え、山口照美校長(42)が知り合いのエール学園の長谷川恵一理事長(68)に相談したことがきっかけだった。「学校は費用をかけずに支援環境が整う。子どもは孤独感が和らぎ安心して授業を受けられる。留学生は単位が取得できる。それぞれにメリットがある」と長谷川理事長は話す。浪速区では市立塩草立葉小もエール学園に掛け合い、ベトナム人留学生の支援を受けているという。区の担学者は「日本語支援が必要な児童は年々増えている。学習支援は学校共通の課題」と言う。4日に結んだエール学園との協定で、留学生の派遣対象を小中全11校に広げる。