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6.相手の名前を覚え、自分の感性をフルに活用して、相手の言い分に積極的に耳を傾ける。


私はどのクラスでも最初の授業で必ずすることがあります。それは、学生たちに自己紹介をしてもらってクラス全員の名前をその場で覚えることです。年々覚えるのが難しくなりますが、それでも最初の授業から彼らの顔を見て名前を呼んで当てたいと考えています。また教室外で会った時は、彼らよりも早く彼らの名前を呼んで挨拶をします。それをするだけで、その後の学生たちやクラスの雰囲気が大きく変わるからです。特に元気がなさそうな子、問題を抱えていそうな子には、私のほうから積極的に名前を呼んで声をかけるようにしています。すると、少しずつ彼らが笑顔になってきます。名前を呼ばれることは、認められることであり、認められることは、相手の中で自分は「ある種の特別な存在」になることを意味します。そして誰かの中で特別な存在になった人間は、いつしかその期待に応えようとします。私は、その一連の流れが人の心の中に必ずあると信じています。そして、私が全員の名前を覚えられたのだから、学生のみなさんもお互いの名前を全員覚えてくださいと、徹底指導しています。特に外国人が混在しているクラスでは、お互いの名前を覚えることが重要です。名前を覚えてしまったら、国籍や民族、出身間で喧嘩をしなくなるからです。クラスコミュニティ形成初期は、どうしても見た目や雰囲気で相手を牽制したり、威嚇したりしがちです。そんな中でお互いの名前を覚えていないと「あの△△人は感じが悪い」となり、やがて「だから△△人は…」という話になってしまう。一気にクラスの雰囲気が悪くなり、その結果、無意味な差別や争いが生まれます。国籍や民族に気づく前に、1人1人の名前を呼び合い、1人1人の個性に気づくこと、それがコミュニティ作り、つまり「場力形成」において、一番重要だと思っています。クラスコミュニティの基本は、相手の名前を覚えて、しっかり呼ぶこと、呼ばれること、それが最初の一番大切なことだを、私は思います。