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14.「なりたい自分、つくす自分」を深め、自分が心から納得できる生き方に近づく努力をする。
さすがにこの年齢になりますと、小学生のように「野球選手になりたいとかパイロットになりたい」といったような直接職業に関係する希望はありませんが、「人や社会につくすことができる自分になりたい」と思っております。そのように思うきっかけは、阪神大震災でした。私は神戸市北区に住んでおり、地震が起きた時は激しく揺れましたが、幸い大きな被害はありませんでした。ところが、私の実家は神戸市長田区にありテレビでは長田区が火の海になっているという放送がされており、実家に何度か電話しましたが全く通じませんでした。普段なら自宅から実家まで車で30分位の距離ですが、当日は道路の陥没や渋滞で実家に辿り着くのに3時間位かかりました。道中、車の中のラジオでも長田区の被害の状況が報告されており、倒壊した家屋に下敷きになって亡くなった両親・その2週間前に両親と生田神社に初詣に行ったのが一緒に過ごした最後だったことなどを想像してしまいました。実家に着いても取り乱さないようにと最悪の状況を覚悟して実家に向いました。実家に着くと家は屋根が落ちて(後に神戸市の判定では「半壊」でしたが)とても住める状態ではありませんでした。恐る恐る歪んだ玄関を開けると奥の間に両親が座っていて、私の顔見るなり母親が「忠義怖かった」と言ってきました。家は壊れましたが二人とも怪我もなく元気な姿を見て、大変嬉しく思ったのと同時に無性にこの嬉しい気持ちを誰かにお返ししたいと思うようになり、日頃ボランティアなど思いもしない私が、芦屋南高校でお弁当配りのお手伝いをしました。また、その8年前に新婚旅行のツアーに長野県から3人組のおじさん達も参加されており、その中のお1人の方とツアーの最終日に互いの住所を交換し、年賀状のやり取りをしていました。その方から自宅にお米やリンゴや飲料水の入った荷物を送ってくださり「神戸は大変なことになっていますね。うちは農家なので食べる物はたくさんあります。必要なものがあれば何でも言ってきてください」というお手紙が同封されていました。たった10日間のツアーだったにも関わらず、こんなにも親切にしていただき感激しました。人は喉もと過ぎれば熱さを忘れるとよく言われますが、毎年この時期になりますと地震の報道がされるので、忘れかけてた感謝の気持ちやお返しをしたいという気持ちが思い起こされます。まだまだ「借り」の多い人生ですが、少しずつでも家族やみなさんにお返しをしていきたいと思っております。
経営支援本部 経営支援室 室長 長田忠義
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